I型、II型、L型、アイランド型、ペニンシュラ型、とキッチンの形はさまざまだ。なかでも対面式のレイアウトは人気が高く、壁付けとは一線を画した「アイランドキッチン」が主婦の憧れとなっている。配膳しやすい、調理中も家族と会話しやすい、子どもの様子を見られる、調理と食事を同じ場所でできる、といったことが具体的な理由である。

 しかし、シンクやコンロ、作業スペースに加え、近年人気がある食器洗い機をビルトインするとなると、キッチンの幅は2000mm程度が必要になる。アイランド型にした場合、さらにその左右に道線も確保する必要があるので、壁付けのI型に比べて、広いスペースを必要とする。

場所をとらずに対面を実現できるA型

 システムキッチン「キュイジア」や「レガセス」を販売しているTOTOでは、やはり対面式の人気が高いという。ただし、出荷の大半を占めるのは壁付けのI型で、キッチンとダイニングの間に置くワーキングカウンターを組み合わせる注文が圧倒的だという。

TOTOキュイジア 壁付けI型+ワーキングカウンター。このセットが最も注文が多い。白い鏡面塗装も人気ナンバー1
TOTOキュイジア 壁付けI型+ワーキングカウンター。このセットが最も注文が多い。白い鏡面塗装も人気ナンバー1

 現在の住宅では、キッチンを独立した部屋に設けるのではなく、ダイニングとリビングを一体的に設計するのが一般的だ。ワーキングカウンターは、煩雑になりがちなキッチンをダイニング側から隠すことができ、下ごしらえなどの作業台にもなる。また、ダイニング側を向いて調理するアイランド型の魅力を、部分的に実現できることも、壁付けI型+ワーキングカウンターの人気の理由と言えそうだ。