平屋から3階建ての住宅において、木造で建築される割合は高いものの、非住宅の建築では、木造の割合は著しく低い。2000年、2014年の建築基準法の改正で、木造でも準耐火建築物が建てられる範囲が広がっている。低層建築への木材活用を促す方策を語ってもらった。

左から、モデレーターの日経ホームビルダー編集長・桑原豊、ミニストップ開発本部建設施設部顧問・荒川勤氏、建築家・手塚貴晴氏、東京大学教授・腰原幹雄氏、林野庁・小坂善太郎氏
左から、モデレーターの日経ホームビルダー編集長・桑原豊、ミニストップ開発本部建設施設部顧問・荒川勤氏、建築家・手塚貴晴氏、東京大学教授・腰原幹雄氏、林野庁・小坂善太郎氏

●新築着工建築物の木造化の状況<全国>
新築着工建築物の木造化の状況<全国>(国土交通省「建築着工統計調査報告」平成25年計より作成)
(国土交通省「建築着工統計調査報告」平成25年計より作成)

――非住宅分野で低層の木造が普及するのに、技術的課題はあるのか?

ミニストップ・荒川 ミニストップ店舗の木造化についていえば、既に構造用LVL工法を規格化しており、技術的な課題はない。あえて言えば、大型の店舗に適用する際の経済性について検討が必要だ。

建築家・手塚 木造は木造にふさわしい用途やスケール感の建築に使えばよいのではないか。そうでない建築で木造にチャレンジしようとすると困難を伴うのはもっともなことだ。

東京大学・腰原 2~3階建ての木造についてなら、技術的な面では問題ないと考えている。鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同じように…というと変だが、ベースとしては誰でもできるようになっている。手塚さんのように、木造ということで創意工夫をされると、構造設計者もがんばらなければならないかもしれない。