トリビア3:3階テラス下に月の満ち欠け
一見、点対称な空間にも、ちょっとした装飾の変化を加える辰野の遊び心。ほとんど誰も見ることがなさそうな3階テラスの床下部分にも、そんな遊び心が表れている。
トリビア3。3階テラス下のブラケットに8種類の月のシルエット。
ブラケット(片持ち状の支持具)に「月の満ち欠けの模様がある」と聞いて見上げてみたものの、これは、地上からはどんなに目を凝らしても「満ち欠け」を認識することができない。何か模様があるな、くらいだ。
だが、幸いなことに、現在開催中の「東京駅100年の記憶」展では、実物が展示されている。
なるほど、シルエットは単なる絵ではなく、鉄板をくり抜いていたのか。幾何学的な平面構成は「アールデコ」の先駆けのようにも見える。