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巡礼シリーズ新刊「日本遺産巡礼」発行記念

旅行前に読む「ざっくり日本建築史」(後編)

2014/12/11

若手建築史家の伏見唯氏に、日本建築約5000年の流れを一般の人向けに解説してもらった「ざっくり日本建築史」の後編をお届けする。後編は安土桃山時代から、100年前の大正3年(1914年)まで。記事中の「東30選」は、書籍「旅行が楽しくなる 日本遺産巡礼 東日本30選」に掲載している施設、「西30選」は「旅行が楽しくなる 日本遺産巡礼 西日本30選」に掲載している施設を示す。(ここまで日経アーキテクチュア)

両書籍の表紙(イラスト:宮沢洋)

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 15世紀末、応仁の乱などによって室町幕府が衰退し、代わりに戦国大名が覇を競う戦国時代になると、各地に城郭建築が造営されました。古いものは軍事的に天険を利用した山城でしたが、家臣団の居住や政治経済の要請から平城も築かれるようになりました。また平野のなかの丘陵や山などに築き、両者を利用したのが平山城であり、最も多用されました。

 城郭は石垣や土塀、櫓、渡櫓などからなる複合建築群ですが、特に印象深いのが天守ではないでしょうか。戦乱時の司令塔であるばかりでなく、平時においても家臣や領民の精神的な支柱だったと思われますから、高層で堅固であるばかりでなく、意匠も壮麗雄偉なものでした。山城の天守は備中松山城(岡山)、平城は松本城(長野、東30選)が唯一残り、平山城は例えば犬山城(愛知、東30選)や姫路城)(兵庫、西30選)があります。

犬山城(イラスト:宮沢洋)

 戦国以降、かなりの数の城郭が築かれましたが、江戸時代に制定された一国一城令など様々な理由で取り壊され、江戸時代以前に建てられたもので現存している天守は12 棟のみです。天守ではないものの、熊本城宇土櫓(熊本、西30選)も創建当時から残る貴重な遺構です。

 なお、本土の戦乱の一方で、沖縄では長い戦国が終わり琉球王国が成立していましたが、そちらの戦国の激しさを物語る城、グスク(沖縄、西30選)の遺跡も多数残されています。

伏見唯=建築史家、宮沢洋日経アーキテクチュア

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