ロンドンで最高高さを誇る超高層ビル「シャード」がレンゾ・ピアノ氏の設計で2013年に完成したのに続き、14年7月にはロンドンで2番目に高いビル「リーデンホールビル」が竣工した。46階建て、高さ224m、延べ床面積は8万4424m2。ロジャース・スターク・ハーバー・アンド・パートナーズ(RSHP)の設計である。

ロンドン地下鉄のバンク駅周辺から見る。ロイヤルエクスチェンジ(写真左手前)の建物の背後にリーデンホールビルがそびえる。アラップはリーデンホールビルの構造設計と建築設備設計、昇降機などを含む縦動線計画、音響、照明、セキュリティーの各エンジニアリングを担当した(写真:Daniel Imade_Arup)
ロンドン地下鉄のバンク駅周辺から見る。ロイヤルエクスチェンジ(写真左手前)の建物の背後にリーデンホールビルがそびえる。アラップはリーデンホールビルの構造設計と建築設備設計、昇降機などを含む縦動線計画、音響、照明、セキュリティーの各エンジニアリングを担当した(写真:Daniel Imade_Arup)

 リーデンホールビルは、その傾斜のついた外観から“チーズ・グレーター”と呼ばれているようだ。チーズを削る下ろし金という意味で、外観が台形の箱状となっているのにちなんでいる。ロイズビル(旧ロイズ・オブ・ロンドン)とスイス再保険会社本社タワー(通称ガーキン)の間に立地し、周辺は有名建築家による超高層ビルの密集地帯となってきた。すぐ隣には、米シカゴの高層ビル建築に影響を受けて1969年に完成したアビバ・ビルも建っている。

 リーデンホールビルの特徴的な傾斜は、南面だけに見られる。これは1kmほど西に離れた場所にあるセントポール寺院の景観を保護するために取られた措置である。

リーデンホールビルの周辺図。セントポール寺院は図の左手、西方向に位置する(資料:Arup)
リーデンホールビルの周辺図。セントポール寺院は図の左手、西方向に位置する(資料:Arup)

施工中のリーデンホールビルを北西側から見る。写真中央の黒いビルはアビバ・ビル。右奥にはレンゾ・ピアノ氏設計の尖塔形の「シャード」も見える(写真:Thomas Graham_Arup)
施工中のリーデンホールビルを北西側から見る。写真中央の黒いビルはアビバ・ビル。右奥にはレンゾ・ピアノ氏設計の尖塔形の「シャード」も見える(写真:Thomas Graham_Arup)