2014年2月、インド・ムンバイの玄関口に新しいターミナルがオープンした。チャトラパティ・シヴァジー国際空港ターミナル2(ムンバイ空港T2)。SOM(スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル)の設計である。

T2のコンセプトは、「ムンバイの美しい精神と人々の記念碑」であり、伝統的なインド様式の壮麗さを表現したものである(写真:GVK Power and Infrastructure Limited)
T2のコンセプトは、「ムンバイの美しい精神と人々の記念碑」であり、伝統的なインド様式の壮麗さを表現したものである(写真:GVK Power and Infrastructure Limited)

 ムンバイ空港は現在、インドで2位、世界では48位の乗降客数があり、17年には年間の乗降客数が4000万人になると予想されている。昨年の成田空港の年間の乗降客数が約3500万人であることを考えると、その大きさの感覚がつかめるかもしれない。

 ムンバイ空港は06年に改修計画が発表され、エプロンや誘導路、管制塔の改修とともに、今回のT2の建て替えが行われた。

 新しいT2は延べ床面積43万9203m2、188のチェックインカウンター、60の出国審査カウンター、72の入国審査カウンター、52の搭乗ブリッジなどで構成されている。1時間あたり1万800個の荷物を処理できる能力を持つバゲッジ・ハンドリング・システムがあり、現在は10台、将来的には14台まで拡張可能な手荷物渡し用ターンテーブルを備える。

柱から天井につながる印象的で特徴的な意匠は、中世にインド建築がペルシャの影響を受けたことを連想させるものとなっている。天井からは自然光を取り入れ、開口部にはクジャクの羽をイメージした色とりどりのガラスがはめられている(写真:GVK Power and Infrastructure Limited)
柱から天井につながる印象的で特徴的な意匠は、中世にインド建築がペルシャの影響を受けたことを連想させるものとなっている。天井からは自然光を取り入れ、開口部にはクジャクの羽をイメージした色とりどりのガラスがはめられている(写真:GVK Power and Infrastructure Limited)