2014年は、ガラパゴス諸島内にあるサンタ・クルス島のダーウィン研究所が創立50周年の節目に当たるのだそうだ。

 ガラパゴス諸島ではないが、ロンドンの自然史博物館内にもダーウィン・センターと呼ばれる施設がある。完成から約5年たった今も、世界中から多くの人が訪れるロンドンの人気スポットとなっている。コレクションの充実度はもちろん、建築的な面白さもあるからだ。

1868年から計画され、1881年に開館したビクトリア様式の建物に、現代的な建物が増築されたロンドンの自然史博物館(写真:Arup)
1868年から計画され、1881年に開館したビクトリア様式の建物に、現代的な建物が増築されたロンドンの自然史博物館(写真:Arup)

 1881年に開館した自然史博物館は、日本でいう国宝のような有形文化財に与えられる「グレード1」の建造物である。建築家のアルフレッド・ウォーターハウスによってビクトリア様式で設計され、外装の淡黄褐色と青色のテラコッタが特徴である。

 自然史博物館は当初、大英博物館にあったコレクションを移設して運営が始まった。現在では、植物学と昆虫学、鉱物学、古生物学、動物学の5カテゴリーで計7000万アイテムを収蔵している。

 この自然史博物館内に2002年に開館した第1期ダーウィン・センターは、アルコール漬けの2200万の標本を収蔵し、初年度には32万人が来館した。

 ここで紹介するのは2009年に開館した第2期ダーウィン・センターで、1700万の昆虫、300万の植物の標本を収蔵している。開館時の式典にはウィリアム王子も列席し、祝辞を述べられている。

ビクトリア様式の棟(図の右)と、現代的な建築である第1期ダーウィン・センター(左)を、物理的につなぐ第2期ダーウィン・センター(中央)。ガラスアトリウムの中に、巨大な「繭」と館長室、事務室がある(資料:CF Moller)

ビクトリア様式の棟(図の右)と、現代的な建築である第1期ダーウィン・センター(左)を、物理的につなぐ第2期ダーウィン・センター(中央)。ガラスアトリウムの中に、巨大な「繭」と館長室、事務室がある(資料:CF Moller)
ビクトリア様式の棟(図の右)と、現代的な建築である第1期ダーウィン・センター(左)を、物理的につなぐ第2期ダーウィン・センター(中央)。ガラスアトリウムの中に、巨大な「繭」と館長室、事務室がある(資料:CF Moller)