「リニアモーターカー」──。40代の読者にとっては、最先端というよりは懐かしい言葉の響きかもしれない。1970年代の少年雑誌では、「未来都市」の企画が組まれると必ずと言ってよいほど、高架の上を浮かぶように走る流線形の列車の絵が掲載されていた。

 その憧れの「超電導磁気浮上方式」を採用した新幹線が現実のものとなる。東京―名古屋間をたった約40分で結ぶという。もっとも、開通するのは次期東京五輪の7年後の2027年の話だが…。

 日経BPムック「東京大改造マップ2020」(以下、ムックと略す)に頻出するキーワードを手掛かりに、2020年東京の状況を予測するこのコラム。今回は、ムックの頻出キーワード第5位である「リニア中央新幹線」と、その始発駅となる品川駅周辺の開発動向をお伝えする。

ムック内に掲載した「品川周辺マップ」。ムックでは東京23区内に建設予定の延べ面積1万平方メートル以上のプロジェクトを調査し、全325件を地図上にプロットした。丸の大きさは延べ面積、数字は竣工予定年、色は主な用途(水色はオフィス、オレンジは住宅、緑は商業、グレーはその他)を示す(作成:日経アーキテクチュア)
ムック内に掲載した「品川周辺マップ」。ムックでは東京23区内に建設予定の延べ面積1万平方メートル以上のプロジェクトを調査し、全325件を地図上にプロットした。丸の大きさは延べ面積、数字は竣工予定年、色は主な用途(水色はオフィス、オレンジは住宅、緑は商業、グレーはその他)を示す(作成:日経アーキテクチュア)

 まず、リニア中央新幹線のルートを説明しておこう。「新幹線」という名称から、現在の東海道新幹線と同じルートを通ると思っている人もいると思うが、そうではない。速度を上げるため、そして建設費を抑えるために、できるだけまっすぐな軌道を敷設しなければならないのだ。

 JR東海は昨年9月、東京―名古屋間のリニア建設に向けた環境影響評価準備書を公表した。これにより、詳細なルートや6駅の位置が初めて明らかになった。

 長野県南部の南アルプスを横断するルートの全長は約286km。その86%をトンネルが占める。

中間駅は神奈川、山梨、長野、岐阜に1つずつ
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