2013年は住宅市場がにわかに活況を呈しました。明けて14年はどうなるでしょうか。4月には消費税率が8%に引き上げられます。住宅ローン金利の先高観もくすぶっています。職人の不足も看過できない状況です。人口の減少、ますますの高齢化といった環境の下、新設住宅の着工数が1990年代半ばから続く右下がりのトレンドから大きく反転する可能性は低いと思われます。

住宅ストック市場年鑑2014の表紙(資料:日経ホームビルダー)
住宅ストック市場年鑑2014の表紙(資料:日経ホームビルダー)

 しかし、住宅市場の全てが落ち込むわけではありません。次の一手として注目したいのは、リフォームをはじめとするストックビジネスの需要です。ここのところ、住宅投資に占めるリフォーム投資の割合は増加傾向を示しています。国は近年、中古住宅流通やリフォームを活性化させるための様々な制度を整備しており、市場の拡大を強力に後押ししています。2020年までに中古住宅・リフォーム市場を20兆円規模に倍増させる目標へ向けて、今後も数々の施策を打ち出してくることでしょう。

 住宅市場の大転換を踏まえ、どんな分野にどれだけ注力していけばよいのか――。ここ数年の判断が今後の業績を大きく左右することは間違いありません。

 そこで日経ホームビルダーは、これまで年12冊発行してきた月刊本誌に加えて、13冊目ともいえる「住宅ストック市場年鑑2014」を定期購読者に向けて新たに発行します。読者がこれからの経営戦略を定めるうえで不可欠な住宅関連情報を、複数のシンクタンクの協力を得て取りまとめたものです。

都道府県別の住宅関連データが満載

 住宅ストック市場年鑑2014は、国や公的機関などが調査・集計したデータから重要と考えられるものを抽出し、コンパクトに分かりやすく整理しました。日経ホームビルダーが独自調査したデータも盛り込んでいます。次のような住宅関連データを「都道府県別」に掲載しています。

 ◯2030年までの住宅ストックの推移予測
 ◯2030年までの建設時期別ストック数の推移予測
 ◯2030年までの新設住宅着工戸数推計値
 ◯専用住宅の建設時期別戸数
 ◯住宅リフォーム市場規模の推移
 ◯住宅建設投資とリフォーム・リニューアル工事費の比較
 ◯関連業種の事業所数と就業者数
 ◯人口、世帯数、持ち家率、空き家率など、関連データ

住宅ストック市場年鑑2014のページ例。各都道府県の2030年の「住宅戸数と増減率」「新設着工と増減率」「世帯数と増減率」を示した(資料:日経ホームビルダー)
住宅ストック市場年鑑2014のページ例。各都道府県の2030年の「住宅戸数と増減率」「新設着工と増減率」「世帯数と増減率」を示した(資料:日経ホームビルダー)

住宅ストック市場年鑑2014のページ例。東京都の住宅ストック市場のデータ(資料:日経ホームビルダー)
住宅ストック市場年鑑2014のページ例。東京都の住宅ストック市場のデータ(資料:日経ホームビルダー)

 データは全て都道府県別に掲載しています。これからの時代、地域特性に応じた経営戦略が住宅ストック市場の攻略には欠かせないと考えるからです。住宅ストック市場年鑑2014には、ほかにもテーマ別概況(将来予測、市場動向、事業所統計)、建材・設備と労務の単価、都道府県別住宅着工数ランキングなどが満載です。

 住宅ストック市場年鑑2014は、工務店や住宅会社、リフォーム会社、設計事務所、不動産会社、建材・設備メーカーなど住宅関連企業が自社の営業エリアの実情を把握し、地域マーケットに応じた将来像と戦略を描くためのバイブルとなることを目指しました。日経ホームビルダーはこの年鑑を加えることで、大転換する住宅市場に果敢に挑む読者の皆様をこれからも応援し続けます。