地中構造物が浮く

 液状化現象が発生すると、地盤沈下が発生するだけでなく、地中埋設物の浮き上がりなどの被害も発生します。

 東日本大震災でも、マンホールや地下駐車場、浄化槽といった施設が地表面から浮かび上がる現象が確認できています。ほかにも、高低差がある場所では地盤が低い方に流れ出す側方流動が生じます。この現象による護岸の崩壊なども起こりました。

千葉市美浜区幸町で発生した液状化現象。路面の沈下や電柱の沈み込みが確認できました。3月20日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)
千葉市美浜区幸町で発生した液状化現象。路面の沈下や電柱の沈み込みが確認できました。3月20日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)

千葉県船橋市日の出で崩壊した護岸。3月20日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)
千葉県船橋市日の出で崩壊した護岸。3月20日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)

 液状化が起こりやすいか否かは、事前に分析することが可能です。地盤を構成する土質や地下水位、地震動の条件から液状化の起こりやすさを推定する計算法が存在するからです。

 こうした予測技術を活用すれば、地盤改良などの要否の判定がしやすくなります。自治体のなかには、液状化リスクを明示するためのハザードマップを作成しているところも少なくありません。