地下水位と砂質地盤に注意

 液状化現象とは、地盤を構成する土の粒子とその間にある地下水が地震で揺さぶられて発生します。地震によって土粒子が動き、地下水に浮かんだような状態になるのです。土粒子で分担できなくなった荷重は地下水に作用し、圧力が高まった地下水は土粒子を巻き込んで噴出します。雨が降った後にグラウンドの土を何度も踏むとぬかるんでくる現象と同じです。

●液状化現象のメカニズム
(資料:日経アーキテクチュア)
(資料:日経アーキテクチュア)

 液状化現象には、起こりやすい条件が存在します。一つは地下水位が高いことです。これに加えて地盤強度を示すN値が小さく、緩い砂層で土粒子の粒径がそろっていると液状化を招きやすくなります。

 今回の震災で被害が目立った湾岸地域は埋め立て地で、こうした条件に当てはまる場所でした。内陸部でも沼を埋めたような場所では、同様の条件となるケースがあります。

 東京湾岸における本震の地震動の規模は最大加速度で200ガル程度。それほど強いものではありませんでした。しかし、揺れの継続時間が長かったため、地盤が繰り返し揺すられ続けて液状化被害が大きくなったものとみられます。