日経ホームビルダーは、コラム「とことん実証! 建材・設備」で、LED電球のメーカーによる違いを検証した。国内主要メーカーが相次いで市場に投入した4000円前後のLED電球は、メーカー間の違いがあるのか。同一条件下で比較した。

 今回は、LED電球の明るさ(照度)の製品差が距離に影響するのか、検証した結果をお届けする。詳細は、日経ホームビルダー2010年1月号の「とことん実証!」でレポートしているので参考にしてほしい。

撮影スタジオに機材を持ち込み、1製品ずつ照度を測定した(写真左上)。部屋の壁と天井は白色で反射率はやや高め、床の色はグレーだった。さらに、室内空間の照度を比較するために、平均照度を測定(写真右下)。壁などの反射を考慮して、部屋の中央に装置を設置した。鉛直を決定し、その点を中心に1m四方を測定エリアとした(写真:澤田聖司)

 前回は、各メーカーが販売しているLED電球の、光の色味や広がり、形状などを横並びで比較した。今回は室内空間での光の広がりなどを考慮した照度測定を実施。また、落としたことを想定した落下テストや、点灯中のLED電球に触れることを想定した温度計測も実践した。

750mmの距離が分岐点

光源から離れたときの明るさ(資料:日経ホームビルダー)
光源から離れたときの明るさ(資料:日経ホームビルダー)

 電球の直下から2m先まで、250mm間隔で照度を測定し、結果をまとめたのが上のグラフだ。製品によって特性が異なることがわかった。

 NECライティングやパナソニック、東芝ライテックの3製品は、光源に近い範囲を照らすのが得意な製品だ。グラフのポイント(1)に示したように、500mmの地点まで白熱電球の照度を上回っていた。

 実験中に“暗い”と感じ始めたのが、光源から750mm地点(ポイント(2))だ。数値で見ても、すべての製品が白熱電球の明るさを下回った。アイリスオーヤマとシャープは、この地点で電球形蛍光灯の明るさも下回った。また、ダウンライトで使用することを想定しているというNECライティングは、この地点以遠、照度がぐっと落ちた。メモを取る手元が非常に暗く不便に感じるほどだった。