30~60形白熱電球に相当する明るさを確保した電球形LED照明が、4000円を下回る市場価格で続々と登場している。既存製品と比べて半分程度の価格だ。

 電球形LED照明は、一般の電球からの付け替えを主なターゲットとしており、白熱電球のソケットにそのまま取り付けられるのが特徴だ。消費電力が少なく、設計寿命が4万時間と長いが、高価なことから普及に至っていない。

 そんな30~60形相当の電球形LED照明市場で6月11日、シャープは市場価格が4000円程度となる製品を投入すると発表。東芝ライテックやアイリスオーヤマ、エコリカがこれに続いた。

 シャープは40形と60形相当で計9機種の電球形LED照明を8月1日から順次発売する。住宅向け照明事業に新規参入となる同社は、従来製品より大幅に安い価格を武器に、一般消費者に自社製品を訴求する狙いだ。

シャープが住宅向けに製品展開する9機種の「LED電球」(写真:シャープ)
シャープが住宅向けに製品展開する9機種の「LED電球」(写真:シャープ)

 4000円という価格は、寿命と価格との割合を基におよそ次のように設定している。同等の明るさ性能がある製品の場合、白熱電球は設計寿命が約1000時間で約100円、電球形蛍光灯は約1万時間で約1000円。今回の電球形LED照明は4万時間となることから、4000円前後という数値を導いた。オープン価格だが、市場価格では40形相当で3900円前後、60形相当で4000円前後を見込んでいる。製品の生産工程や設計などを工夫することで低価格を実現した。

 また、60形相当の1機種では業界初となる、光色をリモコン操作で電球色相当から昼白色相当に変更できる調色機能を搭載している。消費電力は、40形相当が4.1W(調光器対応タイプは5.8W)、60形相当が7.5W(調光器対応タイプは8.6W)、調色機能を搭載したモデルが8.2W。また全機種とも口金をE26(26mm径)に設定して、一般的な白熱電球のソケットに対応させた。

 シャープでは電球形LED照明9機種を合わせて、月産20万個を計画している。今後はさらなるコストダウンと発光の効率化を図っていく。