ミラノサローネ報告の第2回目は、統一したテーマで作品に取り組んだり、新旧のプロダクトをアレンジしたりすることによって、インパクトのある空間構成を見せていた展示を紹介する。
■モローゾ
家具ブランドのモローゾ(MOROSO)は、ミラノ市内のショールームで「アフリカ」をテーマにした展示を行った。アフリカをモチーフにデザインした新作のほか、既存のプロダクトをリニューアルし、会場を埋め尽くした。
下は、バーゼル+セック(Birsel+Seck)の「Madame dakar」。威風堂々としたダカールの女性に抱かれてくつろぐイメージでつくられた。
スツールを集合させたようなロン・アラッド(Ron Arad)のソファ「Do-lo-rez」をアレンジした展示。それぞれのパーツに違う柄のテキスタイルが張られ、インパクトを強めている。
こちらはフィエラ会場の展示。森林のように白いポールを林立させ、それを背景に新作を展示している。空間構成は、パナソニック電工の展示も担当したパトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola)と建築家のマルティノ・ベルギンツ(Martino Berghinz)。
■ヴーヴ・クリコ
「Out of the box」は、トルトーナ地区のスーパースタジオ・ピウ(Superstudio piu)を会場とした、シャンパン「ヴーヴ・クリコ(Veuve Clicquot)」のデザインボックスをテーマにした展示。注目のデザイナーが、それぞれ独自の作品を披露した。
下は、ポルシェ・デザイン・スタジオ(Porsche Design Studio)によるワインセラー「Vertical limit」。2007年の作品。
デザインボックスごとヴーヴ・クリコを収納する「Veuve clicquot champagne celler」。デザインはサンク・サンク・デザイナーズ(5.5designers)。
トム・ディクソン(Tom Dixon)が手掛けたシャンデリア「Comet lamp」は圧巻。幾何学的なボックスの集合体は、はじけるシャンパンのイメージでもある。
■モーイ
デザイナー、マルセル・ワンダース(Marcel Wonders)がプロデュースを務め、アグレッシブな作品を発表し続けるブランド。今年の展示は照明機器が多かったが、変わらぬポリシーを貫いていた。
下は、レイモンド・プッツ(Raimond Puts)によるシャンデリア「Raimond」。細いワイヤーにLEDをちりばめ、繊細な美しさを見せる。
フレッシュ・ウェスト(Fresh West)による「Brave new world lamp」。木片だけでフレームを構成したフロアスタンド。
■クヴァドラ
デンマークのテキスタイルメーカー、クヴァドラ(kvadrat)のショールーム。ミラノ市内にある古い建物だが、壁面と階段の手すりを「Clouds」と名付けたプロダクトで覆い、オブジェのように変身させた。「Clouds」は、ロナン & エルワン・ブルレック兄弟(Ronan & Erwan Bouroullec)が手掛けたプロダクトで、長さ50cm程のパーツを自由に組み合わせてスクリーンなどをつくる。
各パーツは特殊なバンドで固定。形を組み換えることも可能。
次の第3回目では、日本の建築家による出展を中心に報告する。