第二次大戦前の建物であれば、竣工当時から建築界で高く評価されたもの以外にも、後から良さが発見されていった擬洋風建築や地方の佳品があります。しかし、これが戦後となると、採り上げられるのは、いつもおおむね似た顔ぶればかり。魅力的な近現代建築は、まだまだ眠っているのではないか。そんな疑問から連載がスタートしました。日本全国を対象に、主流ではないが名建築と呼べるものをリストアップしていきます。(倉方俊輔)

(23)大阪万博の“未来”が息づく海中展望塔:足摺海底館1970年の大阪万博が生み落とした“未来”は、今も各地に息づいている。高知県土佐清水市竜串の「足摺海底館」も、その一つだ。かつての少年科学漫画を思わせる看板が辺りに立つ。開業は19… [本文]
公開日:2009/9/1 本文:2460字 画像:28点 コメント:2 件

(22)“発明和尚”が計画した観音寺院:円通寺本堂興味深い建物の背後には、さらに面白い設計者や施主がいることが多い。卒業論文以来の建築史研究で得た教訓を胸に、円通寺本堂に入ってみることにした。 [本文]
公開日:2009/7/16 本文:2100字 画像:28点
(21)コラボレーションが生きた築45年の和モダン建築:ホテル井筒旅館の近代化が、どんなデザインを生んだのか。戦後になると、各地で木造の旅館が鉄筋コンクリート造のホテルに建て替わっていく。それは日本の伝統と近代的な施設をいかに融合させるかというこ… [本文]
公開日:2009/7/1 本文:2508字 画像:31点 コメント:6 件
(20)“寅さん”の舞台になったモダニズム料亭:川甚本館柴又と言えば、寅さんだろう。映画「男はつらいよ」第1作(1969年公開)で、名シーンの舞台になっているのが、この建物である。物語の中盤あたり、スクリーンに大きく「川甚」の文字が映し… [本文]
公開日:2009/6/1 本文:3033字 画像:29点 コメント:3 件
(19)大自然と“対決”する標高2450mの宿泊施設:ホテル立山・室堂ターミナル「ホテル立山」は日本で最も高い標高2450mにあるホテルだ。1972年に「室堂ターミナル」と一体の施設として、中部山岳国立公園の中に完成した。 [本文]
公開日:2009/5/14 本文:2695字 画像:29点 コメント:10 件
(18)土地の高低を生かした棟々をブリッジで連結:南永田団地「スーパーまでずーっと廊下が続いているんだよ」――。行きのバスで出会った年配のご夫婦が説明してくれた。「南永田団地」(横浜市南区)の計画が1970年に始まった時、周りの丘陵地は既に… [本文]
公開日:2009/5/7 本文:2805字 画像:31点

(17)ライトの弟子がつくった光の空間:嵐山カントリークラブハウス緑の海に浮かぶ船のようなクラブハウス。開場から半世紀近くたった今でも、ほぼ変わらない姿でゴルファーたちの憩いの場であり続けている。設計者はフランク・ロイド・ライトの弟子、天野太郎で… [本文]
公開日:2009/4/16 本文:2123字 画像:35点 コメント:2 件

(16)屋根で勝負した構造家の単独作:下関市体育館下関市体育館は、珍しい坪井善勝「設計」の建物である。構造家の坪井は、丹下健三とともに、斬新な架構による空間を次々に実現させた。その意気込みは、坪井の単独作ではいっそう顕著になる。こ… [本文]
公開日:2009/4/1 本文:1633字 画像:32点 コメント:13 件
(15)ガラスの透明感が際立つ戦後モダニズムの名品:小松市公会堂ふと立ち寄った町に、モダニズムの意外な名品があるとうれしくなる。石川県小松市は、日本海側最大の空港である小松空港の名で有名だろう。空港から2、3kmの距離に旧市街が位置し、軒を連ね… [本文]
公開日:2009/3/19 本文:1251字 画像:15点
(14)黒川流前衛を打ち出した“元祖”カプセルホテル:カプセルホテル・イン大阪昨年、『ルイ・ヴィトン シティ・ガイド 東京』に紹介されたことでも話題を呼んだ日本独特の宿泊施設「カプセルホテル」。そのオリジナルデザインが、あの黒川紀章によるものだとご存知だろう… [本文]
公開日:2009/3/5 本文:1355字 画像:10点 コメント:4 件
(13)永遠の楽土を目指した宇宙ロケット:阿知須合同納骨塔従来の無計画な家並みを一掃して、新たな共同建物で光と緑にあふれた生活を。言うはやすく、行うは難しい、モダニズムの理想が実現したような、あの世の“集合住宅”だ。 [本文]
公開日:2009/2/16 本文:1648字 画像:14点 コメント:1 件
(12)モダニズムを超越した、大理石外装のオフィスビル:コマツビル大理石の壁面に深くうがたれた六角形の窓。東京・溜池交差点に面して1966年に完成した。設計は2人のモダニズム建築家。体育施設やオフィスビルを多く手掛けた中山克己と「最小限住居」(5… [本文]
公開日:2008/12/8 本文:823字 画像:12点
(11)繊維の街を象徴する工業賛歌:蒲郡市民体育センターなんとも豪快な形だ。斜めに突き出た14本の柱が、中央部の湾曲した鉄骨屋根を持ち上げている。石本建築事務所の設計で1968年に竣工。打ち放し仕上げだった柱梁は白く塗装されたが、それ以… [本文]
公開日:2008/11/10 本文:823字 画像:14点
(10)流行を写すシリンダー形のアイコン:渋谷109若者の聖地「渋谷109」。そう聞いてまず思い浮かぶのは、銀色のシリンダー(円筒形)ではないか。ホームページのトップを飾り、系列のファッションビルもイメージを継承している。戦後まれに… [本文]
公開日:2008/10/14 本文:854字 画像:12点
(9)川端康成の言葉から生まれた大人の“遊び場”:安与ビル・柿傳JR・新宿駅から徒歩1分の場所に、もうすぐ40周年を迎えるデザイナーズレストランがある。創業1720年、京茶懐石「柿傳」のインテリアを文化勲章受章者の谷口吉郎が手掛けた。 [本文]
公開日:2008/9/12 本文:940字 画像:12点
(8)ゴージャス感あふれる手づくりの大娯楽場:味園ビル大阪・千日前でひときわ威容を誇る1956年開業のレジャービル。地下1階・地上5階に飲食店、ホテル、キャバレーといった様々な業種を収める。 [本文]
公開日:2008/8/11 本文:850字 画像:15点 コメント:1 件
(7)昭和の夢を乗せた“桃山風”ホテル:横浜薬科大学図書館棟昭和の大興行師、松尾國三(1899〜1984年)は、異形の「桃山風」建築を東西に産み落した。西の横綱は1958年に完成した大阪新歌舞伎座。設計者は村野藤吾だが、前例の無い連続唐破風… [本文]
公開日:2008/7/14 本文:817字 画像:10点
(6)“円形プランの名手”が手がけた八角形の寺院:金地院本堂東京タワーを見物したら、足下の金地院も詣でたい。徳川家康に重用された以心崇伝(いしんすうでん)が開いた伝統ある寺院だ。1956年に完成した珍しい八角形平面の本堂がひっそりとたたずむ… [本文]
公開日:2008/6/6 本文:995字 画像:11点 コメント:1 件
(5)ポストモダンの“夜明け前”に現れた恐竜:日光市今市文化会館モダニズム建築というべきか、ポストモダニズムというべきか、とにかく迫力である。今市市(現・日光市)文化会館は、神谷五男の設計で1977年に竣工した。最初に見て連想したのは70年代に… [本文]
公開日:2008/5/9 本文:1010字 画像:13点
(4)900mを超える建築・土木の融合:船場センタービル大阪の近現代建築に詳しい高岡伸一氏(高岡伸一建築設計事務所)の推薦で現地を訪ねて、日本にこれほどの建築があったのかと驚いた。 [本文]
公開日:2008/4/14 本文:1027字 画像:11点

倉方 俊輔(くらかた・しゅんすけ/Shunsuke Kurakata)
1971年東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。博士(工学)。学位論文では伊東忠太を扱い、『吉阪隆正とル・コルビュジエ』を執筆後、戦後建築に関心を深めることに。 共著に『東京建築ガイドマップ』『伊東忠太を知っていますか』ほか。慶應義塾大学・芝浦工業大学などで非常勤講師を務める。
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