編集長が語る日経アーキテクチュアの見どころ
目次
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盛夏こそ身に染みる光熱費ダイエット
健康雑誌のダイエット特集は、夏にやると売れるという話を知人の編集者から聞きました。人は夏になると無駄を削ぎ落としたくなるのでしょうか。日経アーキテクチュア8月10日号の特集は「光熱費はここまで下がる」です。
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「死角」は「未知」とは違う~繰り返しを防ぐために
今号の特集は「炎の死角」です。6月14日に発生したロンドン高層ビル火災をきっかけとして、大規模建築物の火災の危険性について専門家に取材しました。このコラムでは、これまで日経アーキテクチュア・ウェブに掲載してきた大規模な火災に関する記事を列記することしました。
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“非東京縛り”で見えた元気の源泉
「情報が東京中心に偏っている」。そうご指摘を受けることがあります。そこで今号は“東京以外”を意識して、全体を構成してみました。特集は「地域に活力生む『巻き込み型』仕事術」です。
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民泊が変える「宿泊」の優先順位
住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が6月9日に成立しました。6月22日号では、それを1つのタイミングとして、特集「大競争時代の宿泊デザイン」を掲載。サブタイトルは「民泊を超える“体験”がカギ」です。このサブタイトルを読んで、「なるほど!」と腑に落ちた感じがしました。
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一塁に走る建築家、堀部安嗣氏の“覚醒”
「最近の建築は、みんながこぞって三塁に走っているように見える──」。9年前の堀部安嗣氏の言葉が忘れられません。そんな「一塁に走る」建築家、堀部氏が「省エネ設計」に目覚めました。6月8日号の住宅特集は「省エネ義務化を追い風に」です。
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意外にクール? ザハ事務所のBIM活用
今号の特集は「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」がテーマです。英国・ロンドンで取材した3つの設計事務所のBIM活用実態は、ほかでは得ることのできない情報といえるでしょう。そのなかで個人的に印象に残ったのは、ザハ・ハディド・アーキテクツの担当者の“冷めた”コメントでした。
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日本発「世界に誇れるリノベ」はいつ?
日本には世界的に有名な現代建築がごろごろあります。ただ、「世界に誇れるリノベーション建築は?」と聞かれたときに、筆者には正直、ぱっと思い浮かぶものがありません。今号の特集は、「欧米に学ぶ リノベーションの潜在力」です。
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“ブラック容認”は設計組織を滅ぼす
2017年4月27日号の特集「“ブラック”な職場との決別」では、設計事務所・建設会社にアンケート調査を実施し、様々な観点から「働きやすさ」を点数化。上位の会社などに先進的な取り組みを取材しました。「好きな仕事」であれば長時間労働も我慢できる──そんな考えの設計組織は遠からず滅びます。
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熊本地震1年、“今だから”掘り起こせる事実
今号の日経アーキテクチュアでは、熊本地震から1年の節目となる特集を組みました。1年前を思い起こすために、このコラムの2016年4月28日号分の書き出しを引用します。
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「安心&快適」両立のカギは“余力”?
東日本大震災から6年、そして熊本地震から1年がたつ今回の特集は、あえて「安全性」に「快適性」を掛け合わせてみました。「安全性」だけをどんどん強化した先にあるのは「核シェルター」のような建物です。果たしてそれは、一般消費者が専門家に求めているものなのか──。
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「会いたい」という原動力
今号の特集は、建築業界の長所短所を“外の視点”から指摘してもらう企画です。経済人・文化人計16人にインタビューしました。その前に、「建築日和」の答え合わせから……。
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ガラパゴス化? 都市木造の目指す道
日本は世界の木造技術のトップ集団を走っている──。日本人の多くはそんなイメージを持っているかもしれません。けれども、今回の特集を読むと、ほとんどの人がそうした考えを改めるのではないかと思います。
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もう一度だけ、雑誌の「雑」たる強みについて
前回のこのコラムで、雑誌は「雑(=いろいろなものが入りまじっている)」であることにこそ強みがある、ということを書きました。これについて何人かの方から感想をいただいたので、「雑」について考えるところをもう少し書かせてください。
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あえて「雑」を名乗る「雑誌」の強み
今号は、日経アーキテクチュアという「雑誌」の真骨頂ともいえる号です。雑誌という言葉は不思議な言葉です。「雑」というマイナスイメージの漂う言葉を冠に掲げているのですから…。
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自治体職員が頭を抱える「大規模改修」のコスト
今回の特集「維持コストの真実」では当初、光熱水費や清掃費など維持管理費全般を扱うつもりでしたが、第一弾は「改修費」に絞ることにしました。地方自治体に取材をしてみると、彼らを特に悩ませているのが、竣工から20年程度で訪れる大規模改修だということが分かってきたからです。
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2017年は“地味にすごい”にも注目
大ニュースはなんとかフォローしてきたつもりですが、労働環境や設計手法、地域再生など、ジワジワと進んでいる建築界の変革──今風にいうと“地味にすごい変化”は十分に伝えられなかったという反省があります。こうした反省を最後に1つでも返そうと思って企画したのが、特集「編集部が選ぶ 10大建築人2017」です…
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「特殊解」より「まねしたくなるアイデア」を
12月8日号は住宅特集「プロもうなった! ユーザーに刺さる改修」です。継続的に住宅改修に取り組んでいる事業者たちが「なるほど」とうなった住宅改修事例を取り上げ、事業スキームも含めて紹介しました。「事業者目線→ビジネスになる→市場を拡大する」という観点でまとめたのが特徴です。
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「学ぶ発注者」は脅威かチャンスか
住宅の発注者は、「見た目に好き嫌いがあったり、毎日手や肌に触れたりするものだけ自分で選びたい」──。そんなイメージは幻想なのかもしれません。11月24日号の特集は、毎年恒例の「採用したい建材・設備メーカーランキング」です。
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もしも建築界に安藤忠雄がいなかったら
安藤忠雄氏が古本屋で見つけたル・コルビュジエの作品集に魅了されて建築にのめり込んでいった、というのは有名な話です。この特集の取材中、「もし安藤氏がコルビュジエの作品集と出会わず、建築家になっていなかったとしたら、日本の建築界は今とはどう違っていたか」をずっと考えていました。
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“犯人探し”の前に豊洲新市場で考えるべきこと
10月27日号の日経アーキテクチュアは緊急特集を組みました。一般メディアでは、誰が最初にそれを指示したのか“犯人探し”が続いていますが、日経アーキテクチュアが注目したのは、誰にでも起こり得る「他分野とのコミュニケーション不足」の問題です。