少し前までは長寿命住宅の代名詞として、100年住宅という言葉が使われていました。今では一気に100年上乗せした「200年住宅」が流行のようです。100年なら、自分の子か孫の世代がその正否を検証してくれるかもしれません。それが200年ともなると、想像力の乏しい私には、もうさっぱりイメージできません……。どうも「言ったもん勝ち」という印象がぬぐえない200年という数字に、個人的には違和感を覚えます。

 とはいえ、住宅の長寿命化そのものには、もちろん大賛成です。住団連が提言している200年住宅は、放っておいても長もちするような家を建設するということではなく、20年ごとに維持補修していくことが前提になっています。日経ホームビルダー12月号には、200年住宅の新ブランドを立ち上げたミサワホーム創業者、三澤千代治氏のインタビュー記事を掲載していますが、彼の考えでは20年ごとの維持補修をしたうえで、100年目には構造体以外をすべて取り替えるような大掛かりな改修をする、とのことです。

 12月号の特集のテーマにした「結露」対策は、こうした住宅の長寿命化が進むにつれて、重要性がますます高まっていくはずです。築後30年弱で取り壊す家なら、原因が結露だろうが何だろうが関係なく、老朽化という言葉でひっくるめて片付けてしまうこともできます。ですが、建て主が定期的に仕上げをはがして構造体をチェックするような時代になれば、そうはいきません。当初の結露対策に問題があったと、つくり手が建て主から訴えられるシーンが目に浮かんできます。

 「突撃!ゲンバ検証隊」も今月号は特集と連動して、結露を話題にしています。地下室のカビに悩む住まい手からの相談を受けて、ゲンバ検証隊が現地に乗り込みました。換気や、エアコンによる除湿など、住まい方と結露の関係に迫っていきます。さらに記事の後半では、簡単に結露を発生させる模型実験も試みています。建て主に結露問題を説明するツールとして活用してみてはいかがでしょうか。