4月号の見どころの一つは、シーアールホーム大井康弘社長の「独占インタビュー」です。岡山で一時は年間190棟を超す完工数を誇っていた住宅会社シーアールホームが、2006年12月に経営破綻したというニュース記事は、KEN-Platzおよび日経ホームビルダー2007年3月号で報じました。

 シーアールホームといえば、日経ホームビルダー2001年4月号特集記事の中でも、「地場に根付くこだわり企業」の一例として取り上げた住宅会社です。この時は、住宅を引き渡した後も頻繁に訪問することによってクレームを未然に防ぐ同社の取り組みをお伝えしました。10日に1回という同社の訪問頻度は、当時のアンケートに回答を寄せてくれた全国の地域住宅会社401社の中で、1位でした。

 地場に根付いていたはずの同社が、どのように破綻に至ったのか。地元密着を理想に掲げている多くの住宅会社にとって、これは必ず役に立つ話であり、真相をぜひとも大井社長本人の口から聞きたい――。そう思いました。経営破綻のニュース記事を取材・執筆したKEN-Platzの安藤剛記者が、大井社長の了解を取り付けることに成功し、独占インタビューが実現しました。

 「ひと目で要点がわかる誌面」を目指している日経ホームビルダーの中で、3ページにわたって文章が続くこのインタビュー記事は異色ですが、息をつく間もなく、お読みいただけると思います。お読みいただいた後、シーアールホーム破綻の真相、そして大井社長が本誌の独占インタビューに応じてくれた理由も、おわかりいただけるはずです。

 4月号の、もう一つの見どころは、大型特集「即効!金物『再』入門」です。いろんな構造補強金物が出回っているけれど、どう違うのか、どれを選べばいいのか、よくわからない――。こうした声が読者のみなさんから多く寄せられたので、金物の基礎から最新事情までを整理してお伝えする記事をつくりました。検査員が現場で撮影した「金物の危ない使い方」の実例も、数多く紹介しています。

 この特集記事に連動して、KEN-Platz上でも「【短期連載】木造住宅の『金物再入門』」の掲載を開始しました。併せてお読みください。

 なお、ここだけの話ですが、特集記事をつくっている最中、「現場で撮影した動画があれば、もっとわかりやすいのでは」という話が編集部内で持ち上がり、今、「金物の危ない使い方・正しい使い方」を解説するDVDを発行しようと、準備作業を進めています。近いうちに、みなさんに改めてご案内できればと思っています。

 それから、もう一つだけ、見どころを紹介させてください。恒例の「住宅会社全国調査」2007年版です。今年の話題は、営業エリアの拡大を続けるタマホームと、同社と競い合う住宅会社の最新動向です。引き続きタマホームの勢いに他社が圧倒されている地域がある一方で、巻き返しが見られる地域も出てきており、複雑な様相となってきました。

 例年、この時期になると読者のみなさんからお問い合わせが殺到する「都道府県別住宅会社ランキング」ですが、今年も日経ホームビルダーのホームページ上に読者限定コンテンツとしてアップします。4月号の発行日である3月22日にデータを更新します。